第四間氷期
- 作者: 安部公房
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1970/11/27
- メディア: 文庫
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世間が幾本の柱で支えられているのかは知らないが、すくなくともその中の三本は、不明と無知と愚かさという柱らしい。p16
日常の連続感は、未来を見た瞬間に、死ななければならないのである。未来を了解するためには、現実に生きるだけでは不充分なのだ。日常性というこのもっとも平凡な秩序にこそ、もっとも大きな罪があることを、はっきり自覚しなければならないのである。p339
勝見博士の言葉を借りれば、この世で一番おそろしいものは、もっとも身近なものの中にあらわれる、異常なのの発見らしいのである。p341