沖縄を撃つ!

沖縄を撃つ! (集英社新書 415D)

沖縄を撃つ! (集英社新書 415D)

先日沖縄に行って沖縄が大好きになりかけたわけなのだが、沖縄好きを自称するには沖縄についてなんも知らないなーと思ったので読んだ。沖縄入門本として歴史的なことも多少は知りたかったのだけど、いきなり

〈沖縄を撃つ!〉をかきはじめるにあたって、私は極力資料的なものを排することを自らに課した。p98

と出鼻をくじかれた。概念論的なことが大嫌いということが凄く伝わってくるのだが、少なからずそれに近いモノを求めていた俺には残念だったかな。

沖縄の人に対する言辞のなかで、いつも度し難い腹立ちを覚えるのは、いい人扱いとでもいうべきものである。p224

という部分からわかるように、この本はパッケージ化されたとでも言うべき美しい沖縄論を嫌っている著者がそのパッケージ化されていない部分(売春など)についての旅行記を具体的かつ淡々と書いている。まあ面白いのだけどエグすぎもせず概念的でもなく…やっぱり求めていたモノとは違っていたので、結局肩すかしをくらったような気分で読み終えてしまった。