「負け感」

「負け感」からの出発

一般的に「趣味を職業にしている人」と呼ばれるのは、自分の趣味をどこか奥深いところの中核に置きつつ、それを見えないようにくるんで、いろいろな人の舌触りに合うようなものに仕立てている人なんじゃないかな。
だから、「好きなことを突き詰めていったら、1番がいた、だから負けだ」というのは、実はその人が突き詰めているのは自分にとって好きなことではなくて、先ほどの偏差値とまったく同じように、「誰かが決めた、何かの1番」を追いかけているんじゃないかと思うんですよ。
だって本当に自分が好きなことだったら、隣に同じようなことをしている奴がいても、自分とはちょっとどこか違うなと思うはずなんです。誰に対しても「なかなかやるね。でも、俺とは違うな」と感じられるのが、「究める」ということだと思うんですね。

「100点」というのはどういうことかというと、顔も名前も知らない誰かが、最初に課題なり基準なりの、ルールを作ったということなんですよ。こうすれば 100点だ、という。極端なことを言えば、100点を取ることは、基準を作った人にずれることなく合わせる、それだけの行為なんですね。

いや、他人から勝ったか負けたかを決めてもらおうとするから、「負け感」が出てくるんだと思いますよ。