明日はマスコミ論のテストだ。

駅ビル通り魔女性を刺殺 東京・八王子、容疑の男逮捕

22日午後9時半すぎ、東京都八王子市明神町3、京王八王子駅ビルの京王八王子ショッピングセンター9階の「啓文堂書店」で、男がいきなり包丁でアルバイト店員で中央大3年の斎木愛さん(22)と客の女性(21)の計2人を刺して逃走した。斎木さんは左胸を刺され、搬送先の病院で約1時間後に死亡。客の女性は胸や腕などを刺されたが、意識はあり命には別条がないという。
警視庁八王子署が男の行方を追ったところ、約30分後に現場から約350メートル離れたJR八王子駅前の路上で男の身柄を確保し、殺人未遂容疑で緊急逮捕した。
調べによると、男は八王子市川口町、自称会社員の菅野昭一容疑者(33)。「仕事のことでうまくいかず、親に相談したが、乗ってくれなかった。無差別に人を殺そうと思い、文化包丁を買って書店に行った」「誰でもいいから刺したかった」と供述。(01:53)

また通り魔事件が起きたらしい。こういう事件をどうこう言うのも虚しい気もするんだけど、さすがにこの犯人である33歳男の動機、

「仕事のことでうまくいかず、親に相談したが、乗ってくれなかった。無差別に人を殺そうと思い、文化包丁を買って書店に行った」「誰でもいいから刺したかった」

これ救いようがない。さすがに腹立つな。別にこの犯人にぐちぐち文句を言うつもりじゃないんだけど、報道について気になったことがある。
こういうことを考えてしまう人間はどの時代にもいると思う。たぶん最近の悪質な社会問題も、多かれ少なかれ昔からあったことなんじゃないかとも思う。けど、この「無差別に人を殺そうと思い」ってところなんか絶対に秋葉原事件の影響を受けてるよ。今回のような殺人事件とか集団自殺みたいな今トレンドになっているような悪質な社会問題に関して、メディアの在り方は一度考え直すべきことがある気がする。
テレビとか新聞などのいわゆるマスメディアはお金儲けしなきゃいけないから、世間の注目を集めようとして今回の通り魔事件のようなショッキングな事件は好んで報道する。それはもちろん視聴者、読者を増やして売上を上げるための企業として当然の行為だと思うんだけど、こういう事件に関する報道を社会的に考えると悪でしかない気がする。メディア側はこの報道で販売部数が伸びたり視聴率が上がったりしてハッピー。けどその報道を受けとる社会は、「うわーまじかよ」だけで、で、わかったけど俺らはどうすれば良いの?っていう反応しかできない。もちろん、この報道によって社会に示唆されることも多いだろうけど、それらを加味した上でもこれは悪影響だと思う。ただ社会の好奇心をかきたてるためだけに報道するにはあくえなら他にもっと報道すべきことってあるはず。もっとポジティブな、良い連鎖を生み出すニュースが。悪質な社会問題への過剰報道は社会の不安を煽るだけだろ。さらにごく少数の犯人と同じ境遇にいる人間に共感を植え付けて、彼らの不満に勢いをつけるだけだと思う。最悪の負の連鎖を起こすと思う。だからって報道に規制かけろって言ってもまず無理な話だし、まあこんなこといっといて報道に規制かけるなんて絶対にするべきじゃないとは思うんだけど、だけど、メディアはもっと経済合理性以外の側面から報道の在り方を考えて欲しいとも凄く思う。個人的には既にその傾向がある気がするんだけど、こういう報道姿勢がエスカレートすると、根本的にこういう悪に対する感覚が麻痺してきてやばい。