後発医薬品(Generic Drug)

後発医薬品

後発医薬品(こうはついやくひん、Generic drug)とは、成分そのものやその製造方法を対象とする特許権が消滅した先発医薬品について、特許権者ではなかった医薬品製造メーカーがその特許の内容を利用して製造した、同じ主成分を含んだ医薬品をいう。先発医薬品の特許権が消滅するとゾロゾロたくさん出てくるので「ゾロ」「ゾロ薬」等と呼ばれていたが、商品名でなく有効成分名を指す一般名(generic name)で処方されることが多い欧米にならって、近年「ジェネリック医薬品」とよばれるようになった。

後発医薬品の普及率:
55% 英国、53% 米国、46% ドイツ、17% 日本、13% フランス*1

新薬(先発医薬品)の開発には巨額の費用と膨大な時間を必要とするために、開発企業(先発企業)は新薬の構造やその製造方法、などについて特許権を取得し、自社が新規に開発した医薬品を製造販売することによって、資本の回収を図る。また、その新薬で得た利益を新たな新薬の開発費用として投資する。当然、特許の存続期間が満了すると、他の企業(後発企業)も自由に先発医薬品とほぼ同じ主成分を有する医薬品(=後発医薬品)を製造販売ができるようになる。
特許権の存続期間は、原則として特許出願日から20年の経過をもって終了する。

この前、第一三共がインドの企業を買収して本格参入を表明した後発医薬品について。
医薬品開発には、それまでにない全く新たな医薬品を開発する「新薬開発」と、既に他者が開発した医薬品と同じ主成分を持つ医薬品を製造、販売する「後発医薬品」の分野がある。新薬開発は、需要のある医薬品を開発することができれば特許を取得し利益を独占することが出来るが、その開発に伴うコストの大きさが足かせとなるよう。それに対して後発医薬品は、既に需要が認められ、かつ特許が消滅した医薬品をきちんと製造できれば一定の利益が見込めるし、さらに新薬医薬品は総じて高い薬価であることが多いことから、信頼性の高い後発医薬品を開発する製薬会社が多く存在することで、医療費の削減などにも貢献するものと考えられているらしい。
米英では市場に出回っている医薬品の半数以上が後発医薬品と、かなりの浸透率。日本はなんでこんなに普及率が低いんだろ。新薬は「元祖」とか「本物」ってイメージで、後発医薬品は「真似」「安物」みたいなイメージがなんとなくわかるけど、それでかな。

*1:なお2006年のデータでは従来普及率の低かったフランスが39%に伸びている。